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【アルミ、クロモリ、カーボン】ロードバイクフレームの寿命と特性

ロードバイクは物なので寿命があります。いつかは壊れてしまいます。
今回はロードバイクフレームの素材(カーボン、アルミ、クロモリ)の寿命にてついて解説します。

現在の主流カーボンフレームの寿命とは

カーボンは鉄と比べ比強度が約10倍あり、密度が鉄やアルミよりも低いため軽い素材です。
軽く強度が高い。まさにロードフレームにぴったりな素材です。
繊維の方向を変えることによりねじれ剛性やひずむ方向を制御できます。設計の自由度が格段に上がります。

ここまで聞くとまさに夢のような素材ですがデメリットもあります。
カーボンフレームはカーボンクロスに樹脂をしみこませ、硬化したCFRPが使用されています。
アルミと異なり金型を用意する必要がありサイズごとに大きさが異なりコストがかかります。量産する場合は同じサイズでも複数の金型を用意することになります。
さらに、できたフレームでも販売できる精度でなければ廃棄となりゴミになります。安いメーカーは基準が甘く精度や重量にばらつきがあることも。
高いメーカーは廃棄になったフレームの製造単価が上乗せになるため値段は上がりますが基本的に精度や重量は一定の水準を保っています。
ようは樹脂の中に繊維が入っているものです。樹脂は衝撃に弱く、特に一点に加わる衝撃に弱い。
落車や転倒でフレームにクラックが入ってしまう事があります。
修理することは可能ですが、高額になるケースがほとんどです。またヘッドベアリング受け部分が割れていると修復ができない事があるそうです。

カーボンには樹脂が使用されているため表面の黄ばみが発生することがあります。アルミと比べヘタりにくいですが、クラックが入ってしまったりRDHなどそのフレーム独自パーツが手に入らなくなった時が寿命になります。年数としては10年ほど。使用方法により異なります。

エントリーグレードのロードバイクに使われるアルミの寿命とは

アルミはカーボンよりも前から使用されています。パーツやコンポーネントでは今でも現役の素材です。
鉄よりも軽量なので使用されています。ですが、たわみやすいためある程度厚みが必要となり重量としてはカーボンよりも重くなります。
アルミの寿命としてはさびの発生やクラックです。アルミは鉄なので、サビる。
表面処理がなければさびます。場合によっては塗装の間に水や湿気が浸入しサビることもあります。
アルミフレームで塗装がぽつぽつと気泡のように膨らんいたらさびが発生しているかもしれません。
放置しているとさびが広がり周りの塗装を浮かせてしまう事も。そうなる前に塗装しなおすのが良いでしょう。
筆者もサビを経験し再塗装しました。特にフレーム内にワイヤーを内装する部分で塗装が剥がれており、その部分から水が浸入し塗装剥離が発生したようです。
安いフレームの場合は再塗装するよりも買い替える方が安いこともあるかもしれません。

クラックの場合、補修はかなり難しい。まず、個人ではほぼ不可能です。
市販のパテなどでは見た目だけは治りますが、乗れる強度ではありません。乗れるレベルまで直すには溶接をして修理する必要があります。
アルミは融点が低いためロウ付け溶接では不可能。ティグ溶接などで亀裂を埋めることになるでしょう。
ただ、クラックが入るような衝撃を受けたフレームの場合、全体的にダメージがあるかもしれません。補修して乗るのは自己責任になりますね。
筆者はロウ付けでスポーツバイクフレームを制作しましたが、ティグでアルミフレームのクラック修理はやったことはありません。
しかし、修理してくれるメーカーがあるとのことです。

昔ながらのクロモリフレームの寿命とは

ハンドメイドバイクで今でも現役のクロモリ。アルミと異なり融点が高いためロウ付け溶接が可能なためもしもパイプがヘコんでしまっても差し替えで対応可能。
だがしかし、重量が重いためロードレースではあまり見かけません。コアなライダーから人気があり使用者はたくさんいます。
クロモリの寿命としてはヘタり、パイプの凹み、クラック、などです。クロモリも金属なのでサビる。サビは進行するため注意。
パイプの凹みやクラックは差し替えで対応できますが、時間と費用が掛かります。さらに、パイプ交換にはフレーム同士を固定しているロウを溶かさなければいけません。
溶かすためには熱を加えて溶かすのでフレームの乗り味が変化する恐れがあります。
このフレームでなければいやだということがない限り、新しくするのが無難でしょう。
特性としてはしなやかで乗り味がよく長距離乗っても疲れにくい素材です。

その他素材(チタン、マグネシウム)

チタン合金は密度が低いためスチールよりも軽量ですが、耐久力のため少し肉厚に作られています。
チタンは耐腐食性があり、さびに強い素材です。表面の酸化膜がとても強いため。
サビないし強度も高くクロモリよりもいいんじゃない?って思いますが普及していないのは理由があります。
それは単価が高いのと加工がしにくいからです。
しかも接合方法はティグ溶接などです。しかも空気中じゃチタンがボロボロになりできません。(ロウ付けもできるようですが…)
アルゴンガスなどの不活性ガスを母材やトーチから噴出しながらティグ溶接をする。設備だけでお金がかかり大変です。
またチタンフレームに電位差が大きいアルミを使用する場合はしっかりとグリスアップを行わなければいけません。(シートポストなど)
電位差によりアルミの腐食が促進されて固着してしまいます。両素材の隙間に水がある場合、腐食は無視できない程度だそうです。

マグネシウム合金は実用金属の中で比重が最軽量であり比強度はアルミやスチールよりも高いためこれこそ自転車フレームにもってこいかと思いますよね。
使われていないという事は使われていない理由があります。
それは腐食性が高い、加工時に細心の注意が必要という点があります。
腐食するのは工業製品においては致命的です。しっかりとした表面処理が施されれば問題ないかもしれませんが、技術的に難しいでしょう。
マグネシウム合金はアルミニウムや亜鉛を添加して作られる。加工では切削などを行うがマグネシウムは発火しやすく水をかけても消火できないため対策が必要です。
パーツにもマグネシウム合金が使用されたことがありましたが、ステムが折れるなど破断報告多数でした。(GRXのブレーキキャリパーにも使用されていました)

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